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平成31年綿貫会長年頭所感

一般社団法人富山県トラック協会
会 長  綿 貫 勝 介
 会員事業者の皆様をはじめ、関係各位には、平素から格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。平成31年の新春を迎えるにあたり、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

 さて、本年は、天皇陛下が4月30日に退位され、翌5月1日には皇太子殿下が即位されることが正式に決定しており、平成の時代が終わり新しい時代の幕開けとなる年であります。
 昨年を振り返りますと、2月には記録的大雪により福井県内の国道8号で大規模な立ち往生事案、6月には大阪府北部地震、7月には西日本豪雨、9月には台風21号、24号の相次ぐ襲来、その間に北海道地震が発生するなど、正に自然災害が多発し、日本各地に甚大な被害をもたらした年でありました。
 日本の経済につきましては、緩やかな回復基調が続いておりますが、昨年7月~9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)改正値は、自然災害の影響が一段と表れ、これまで景気を牽引してきた企業の設備投資が落ち込み、物価変動を除いた実質、年率換算ともに減少となり、速報値から大幅に下方修正されたものの、10月~12月期は反動が見込まれ、景気拡大期間は戦後最長に並ぶことが確実視されております。
 また、本年の経済については、「景気は回復基調を継続する」との見方があるものの、ご案内のとおり10月には消費税率10%への引き上げが予定されており、米中貿易摩擦の激化、米国の保護主義的な通商政策の影響、新興国の金融問題等に対する不安の広がり、さらには主要産油国等が本年1月から協調減産を実施することによる原油価格の上昇などが懸念材料となっております。

 一方、トラック運送業界を取り巻く経営環境は、運賃料金の値上げの追い風を受け、業界全体としては営業収益は改善傾向にあるものの、燃料の軽油価格が高止まりの状態で推移し、ドライバー不足に伴うコスト上昇も利益面を圧迫しております。
 また、長時間労働、低賃金を背景として、ドライバー不足が深刻化しており、将来の担い手確保のためにも、「働き方改革」は事業経営上喫緊の課題となっており、労働時間の削減に向けた取組み、経営の生産性の向上、取引環境の改善等が求められております。
 このような中、昨年12月8日の臨時国会参議院本会議において、議員立法による貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案が可決、成立したところであります。本法案は、経済活動・国民生活を支えるトラック運送業の健全な発展を図るため規制の適正化を図るほか、その業務について、2024年度から時間外労働の限度時間が設定されること等を踏まえ、その担い手である運転者の不足により重要な社会インフラである物流が滞ってしまうことのないよう、緊急に運転者の労働条件を改善する必要があること等の趣旨から改正が行なわれたものであります。
 その主な内容は、「規制の適正化」「事業者が遵守すべき事項の明確化」「荷主対策の深度化」「標準的な運賃の告示制度の導入」となっており、詳細については、今後の政省令及び関係通達等の改正において検討・規定されることとなります。
 また、全日本トラック協会では、「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」を策定して、ドライバーの長時間労働の抑制と職業としての魅力向上、そして、人手不足対策のための働き方改革の推進のために、業界を挙げて各種施策に取り組むことを掲げており、当協会としても、このアクションプランに協調して各種施策に取り組んでいくこととしております。
 昨年、当協会では、全日本トラック協会、富山労働局等と共催して、人材確保対策や働き方改革実現のためのセミナーを開催するとともに、高校生向けフリーペーパーにトラック運送業界の職業紹介や広報を掲載したほか、昨年12月には改正標準貨物自動車運送約款に基づく公正な取引及び長時間労働防止に関するテレビCMを民放テレビ3局において放送したところであります。
 本年も、全日本トラック協会をはじめ関係機関・団体と連携して、高校新卒者等の採用促進のための広報活動や、初任運転者教育等の人材育成のための総合的な対策を推進するとともに、会員事業者の皆様の経営改善・発展に資するための各種助成事業や研修会等の開催について、引き続き積極的に推進してまいります。

 次に、交通事故及び労働災害の防止対策の推進についてであります。
トラック運送事業者にとっての最重要課題は、言うまでもなく、輸送の安全確保であり、「安全第一」が企業活動の根幹であります。
全日本トラック協会は、「トラック事業における総合安全プラン2020」において、事業用トラックを第一当事者とする死亡事故件数について、車両台数1万台当たり『1.5件以下』とすることを各都道府県(車籍別)の共有目標として設定しており、各都道府県トラック協会では、目標達成に向けて各種交通事故防止対策に取り組んでいるところであります。
 昨年9月末までの事業用トラックが第一当事者となる死亡事故件数は、全国で171件発生しており、前年同期比で18件の減少となっておりますが、当該ペースで死亡事故件数が推移しますと、1万台当たりの死亡事故件数は1.7件となる見通しであり、一層の交通事故防止対策の推進が求められております。
 当協会では、本年も交通事故の絶滅に向けて、通年運動として「交通事故絶滅運動」を展開するほか、「富山県109(とらっく)無事故無違反チャレンジアクション」の実施、各季の交通安全運動や交通安全施策への参画、各種安全装置等への助成事業などを行うこととしております。
 さらには、適正化事業指導員による巡回指導を通して、事業者や運行管理者に対する指導助言を充実強化し、法令遵守の徹底と輸送秩序の確立を目指すととともに、各種交通安全講習会の開催、安全性評価事業(Gマーク)の取得啓発活動等を推進することにより、引き続き交通事故の絶滅に努めてまいります。

 また、労働災害の防止につきましては、働く人の安全と健康はかけがいのないものであり、何にもまして尊重されなければならないものと思っております。
 昨年、平成30年度を初年度として、第13次労働災害防止計画がスタートしたところでありますが、5カ年計画で労働災害による死亡者数を15%以上減少、休業4日以上の死傷者数を15%以上減少させるなどの目標が設定されております。
 富山県内の昨年10月末までの速報値では、休業4日以上の死傷者数は前年同期よりも約20%減少したものの、死亡災害が前年同期と同じ2件発生しており、「飛来・落下」、「墜落・転落」と、いずれも荷役作業中の災害でありました。
 今後も、富山労働局及び陸上貨物運送事業労働災害防止協会等と連携して、交通労災防止と荷役5大災害防止を中心に取り組むとともに、本年も通年運動として「労働災害撲滅運動」を展開してまいります。
 また、昨年11月1日には、陸上貨物運送事業労働災害防止協会が主催して「第54回全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会」が富山国際会議場で開催されましたが、お陰をもちまして盛会裏のうちに終了したことをご報告いたしますとともに、改めてご協力に対し深く感謝を申し上げます。

 本年も厳しい経営環境が続くものと思われますが、トラック輸送産業が、生活(くらし)と経済を支えるライフラインとして、産業活動や国民生活に不可欠な存在となっており、その重要な社会的使命と責任を果たすため、また、魅力と活力に溢れる業界として発展するために、引き続き各種事業・施策に取り組んでいく所存であります。


  結びにあたりまして、新しい年が業界にとりまして良い年であり、また、会員事業者の皆様並びに関係者の皆様にとって素晴らしい年でありますようにご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
平成31年元旦